This article is also available in: English

 
 

私は7歳から車イスに乗っています。

ずっと「歩くこと以外は何でもできるんだよ」と両親に言われて育ちましたが、

徐々に出来ること出来ないことが分かる時期がきます。

その1つが「将来の夢」を考えるときです。

子どもの頃は誰しも、友達・先生など周囲の人に

「将来は何になるのー?」

と聞かれることが多かったでしょう。

わたしもたくさんの人に聞かれました。

 

保育園のころ、「ケーキ屋さん」や「お花屋さん」など女の子が一般的に憧れる職業を答えていました。

小学生中学年になり、わたしの夢は「女優」になりました。

理由は女優になれば好きなジャニーズのアイドルに会えると思ったからです(笑)

それを母に伝えると「車イスの女優さんか~」と一言。

母は「無理でしょ」とも「やってみれば?」とも言いませんでした。

でもなんとなく「無理なんだろうな…」と思い諦めました。

小学校高学年の頃には、美容院に行くのが好きになり「美容師になりたい」と母に言いました。

すると「車イスで美容師はなぁ。立てへんからなぁ。」と返されました。

母はまた「無理でしょ」とも「やってみれば?」とも言いませんでした。

 

やってみたい職業を考えても車イスでできそうなものがなく、中学に入るころには夢はもっていませんでした。

でも唯一わたしの身近に車イスの大人がいたのです。それは4歳のころから習っていたお琴の先生でした。

先生も小さいころから車イスで、当時すでに結婚されて大きなお子さんが3人いました。

「車イスでもお琴の先生にはなれる!」と思い、中学で将来の夢について聞かれたときは「お琴の先生」と答えるようになっていました。

しかし、学校の先生から「お琴の先生では食べていけへんから他の仕事も考えななぁ」と言われました。

車イスでもできる「他の仕事」がわからないからそういったのに…と思い、

母にそれを告げると

「芸の道はそんなに甘いもんじゃない。あんたがお琴しかできひんのやったら、その道に進んだら良いけど、他にも出来る事がいっぱいあるやろ?」

と返されました。

芸の道に対して厳しかったのは、母が元日本舞踊の先生だからというのもありますが、

本当にわたしに何か別の方法で社会に出て行ってほしいと思っていたのでしょう。

 

就職活動をする年になれば、いろんな企業が障害者雇用をしていること、

車イスでも働ける場所が多いということ(特に都心)を知れるのですが、

子供のときはそんなことわかるはずもなく、将来の自分を描けない状況があります。

それだけ普段の生活で目にする仕事には車イスの従業員はいないんですよね。

女の子なら具体的な夢がなくても「お嫁さん♪」という答えもあるかもしれないですが、

小さいころは「車イスで結婚できるのか?」という不安もあったので、

それも口が裂けても言えませんでした。

 

ここで言いたいのは、これからもっと多くの車イスユーザーが社会に出て、色んな職場で活躍してほしいということです。

車イスに乗っている子供達に「わたしにもこの仕事できるんだ!」と普通に夢が描ける社会になってほしいのです。

わたしはアメリカ留学時代、大手チェーンのスーパーで車イスの方が店頭で接客しているところを見たことがあります。

まだ日本では考えられない状況かも知れませんが、きっと未来は店頭でも車イスの人が仕事をしているでしょう。

そんな未来を実現するためには、Moon Riderの行動がとても重要です。

みんなの行動で未来を変えていきましょう!

わたしも頑張ります!!

Tagged on:             

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です