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前回の記事では、シラキュース大学で障害のある学生をサポートするThe Office of Disability Services (ODS)をご紹介しました。

今回ご紹介するのは、大学で働く障害のある教職員やスタッフをサポートするオフィス、Equal Opportunity, Inclusion and Resolution Services (EOIRS) です。

なぜ2つのオフィスに分かれているのかと言うと、またまたADA(Americans with Disabilities Act:障害を持つアメリカ人法)がでてきます。

学生を対象にサポートをするODSは、ADAの中でも第3条 Public Accommodation(公共施設)を基に対応します。

しかしEOIRSは対象が雇用者のため、ADAの中の第1条 Employment(雇用)を基に対応するのです。

 

インタビューさせていただいたのは、こちらの2名です。

・Dana Butler氏:Leaves and Disabilities Accommodation Coordinator

・Aaron Hodukavich氏:Director and ADA/503/504 Coordinator

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Dana氏は人事職の出身。

Disability benefits (日本の障害基礎年金と傷病手当金を掛け合わせたようなもの)の手続きや、障害を負って復職した教職員・スタッフへ合理的配慮の対応をしてきました。

人事の部門から現在のEOIRSの分野が独立したことにより、Dana氏は現在のポジションについたそうです。

現在も、障害のある教職員・スタッフへ合理的配慮、disability benefitsの手続きに加えて、職員の家族が通院・介護が必要になった場合の長期休暇対応なども行っています。

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Aaron氏は以前、障害者就労支援をする非営利団体で仕事をしていました。

各職場を訪問する機会があり、そこで障害者の労働環境に課題があることに気づきます。

障害のある従業員は、隔離された場所で単純作業をさせられ、その結果、安い賃金で働かされていたのです。

この課題を解決したいと感じたAaron氏は法学大学院へ進み、そこで更に障害者権利擁護にもっと関わるようになりました。

現在はADAコーディネーターとして大学内のコンプライアンス対応を行っています。

ADA以外にも国レベルの法律、ニューヨーク州の法律・規定が多くあるため、きちんとそれらを守って大学が運営できるようチェックをしている人です。

 
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すべての合理的配慮は雇用された人自身が自分で障害を公開し、何が必要なのかを依頼するところから始まります。

日本では、私たち障害者が働き始める前に障害者手帳のコピーを雇用主へ提出します。

その上で、雇用主からどんな合理的配慮が必要かと質問されます。アメリカと日本ではプロセスが違いますね。

もっというと、日本では合理的配慮を依頼しても「予算がない」という理由などで、十分な対応がされないこともしばしば。

シラキュース大学では、障害のある教職員・スタッフが業務上、必要な設備・システムなどがある場合、まずはその人の所属部門の予算から支払いをすることになります。

小さい部門で十分な予算がない場合は、学部全体または大学全体で対応できるところを探すとのこと。

これまでに「予算がないから対応できなかった」という事例は1つもないそうです。

障害者への合理的配慮の課題は、個人や所属部門だけが対応するものではなく、大学全体で対応するもの。

その人が仕事をするために必要なものであれば、大学内のどこからか資金を調達する必要があると言われていました。

 
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Dana氏とAaron氏からのメッセージ

私たちの理想は、障害者へのバリアが最小限になっている社会です。

ユニバーサルデザインの考え方を使えば、現在障害者が必要としている配慮がそもそも必要なくなるスペースやポリシーを作る事ができます。

より多くの人がアクセスできる環境があれば、我々のような障害者への対応をするオフィスを必要とする人も少なくなっていくでしょう。

人々が自由に、配慮がなくてもアクセスできる、バリアのない場所というのがとても重要だと考えます。

 
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