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Yahoo訪問の前編では、Gary氏から教わったアクセシビリティの歴史についてご紹介しました。

後編では私の研究テーマである障害者雇用について紹介します。

 

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Mizuki & Gary

YahooのアクセシビリティチームにはGary氏以外に4人のメンバーが在籍しています。

 

Yahooのアクセシビリティ・チームには障害のある従業員もいます。

アクセシビリティで良い仕事をするには、多様な人材がチームにいることが重要だと考えています。

Gary氏のこの言葉を聞いたとき、去年の秋に訪問したGoogle Japanでのことを思い出しました。

 

ダイバーシティ・マネージャーの方がこんな事をいわれたのです。

Googleのユーザーには、男性、女性、高齢者、子供、障害のある方など様々な人がいます。

すべてのユーザーがきちんと利用できる商品・サービスを提供するためにも、

社内も同様に多様な人材が集まるのは、ごく自然なことです。

 

一人ひとりの”違い”に対して、Googleが見ている事やその価値観にとても感動しました。

そしてYahooでも同じような感情を持ちました。

 

というのは、日本で私が仕事を探していたとき

多くの企業からまったく正反対の見方をされてきたからです。

 

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日本の多くの企業にとって一番重要に考えているのは障害者の人数です。

法律で定められている障害者雇用率があり、従業員50人以上を有する一般企業は最低2%の障害者を雇用しなければなりません。

障害者の人数を重要視している企業は、そもそも障害者に何ができるのかということに高い期待を持っていません。

そのため多くの企業では、数少ない部門でしか障害者雇用の募集をしておらず、ほとんどのケースで人事部や管理部です。

これらの部門はデスクワークの一般事務であり、まんべんなく広い範囲の障害者に対応できると考えられています。

 

もし、すべての障害者が人事部や管理部で働きたいというのであれば、私は不満はありません。

でもそういうことは、これまでも、これからも絶対に起こりません。

障害者でも一人ひとり持っている能力や興味が違うからです。

私はこれまで一度も人事部や管理部で働きたいと思ったことがありません。

その理由は簡単です。

私のスキルや経験を最大限に生かせる部署ではないからです。

その思いから毎回仕事を探すたびに、多くの企業と他のポジションで働くチャンスがもらえないか交渉を続けてきました。

しかし、ほとんど企業が面白いほど同じ回答しかしてきませんでした。

 

Mizukiさんは車イスで障害者採用なので、

申し訳ありませんが他のポジションで検討することは難しいです。

 

もっと酷いケースもありました。

障害があるという理由だけで、グループ企業内の特例子会社(従業員の大多数が障害者)をすすめてくる会社もあったのです。

私は自分にすごく自信があるというわけではないですが、それでもアメリカの大学を卒業して学位をもって日本に帰国しました。

これは日本人のほとんどが持っていない学歴です。

私は目的をもってアメリカの大学で学んできたのです。

 

このような日本の企業の対応は完全に不公平であり、非常に理不尽です。

これらの明らかな障害者差別は20-30年前に起こったことではありません。

東京という世界でも特に発展した街で、この6年間に起こった出来事なのです。

この日本の障害者雇用の問題は深刻に受け止め、絶対に改善していかなければなりません。

 

 

最後に、Garyがこんなことを言っていました。

障害者雇用はシンプルではありません。

従業員の1人として、またビジネスターゲットとして、会社が障害者に価値を見出していなければ、たとえ簡単に障害者を雇えても上手くはいかないでしょう。

障害者の採用で成果を出している会社は、まず自社の広報ツールやマーケティング素材に障害者を取り入れています。

障害者を別の種類のグループとは見ていないのです。

また、そのような会社は、人事制度がしっかり定められていて、採用のシーンでも応募者の”障害”にフォーカスせず、スキルや経験を重視するようになっています。

最後に、社内で使用されている機器・道具などが障害のある従業員にもきちんと使用できるようになっているというのもポイントです。

もしそれらが障害のある従業員に使えないということになれば、そもそも仕事を一緒にする環境ではなく、本当の”バリア”になってしまいます。

 

日本では多くの会社で、法律に定められた必要な障害者数を揃えることが最優先にされています。

しかし、本当に障害者を雇う準備ができているのでしょうか?

広報やマーケティングの素材はどうなっていますか?

人事の制度はきちんと整備されていますか?

社内の機器・道具は障害者でも利用できるようになっていますか?

障害者が一緒に働ける適切な環境、文化、経営戦略が社内になければ、

障害者従業員は会社に忠誠心を持つことなく、遅かれ早かれ退職していくでしょう。

そして、また会社は必要な障害者数を集めるためにコストをかけて障害者を探すことになるのです。

 

毎年、東洋経済が障害者雇用率ランキングを発表しています。

これはあくまでも障害者の人数でランク付けされたもの。

わたしは障害者雇用の”質”をベースにして評価してほしいと思っています。

人数より質の方がもっと重要で、知る意味があります。

そうすることで、真の障害者雇用ランキングを見ることができます。

 

表彰されるべきなのは障害者をたくさん集めた会社ではありません。

障害者の能力をきちんと評価して、平等に働ける環境を作っている会社です。

障害者雇用へ取り組む会社の本当の姿をぜひ見てみたいものです。

 

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