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先日開催したオンラインイベントAbility For Successの後編レポートです。

このセッションでは、職場におけるインクルージョン(様々なバックグラウンドを持った人が一緒に働く環境)から得られるベネフィットについて話し合いました。障害者の作業所というのは、障害者の失業率を低くすることはできても、決して理想的なキャリアパスとは言えません。賃金は安く、キャリアアップにつながるような仕事のスキルも得られません。

一般企業の職場環境で障害者もいっしょに働くことは、ただ単に失業率を下げるという効果だけではなく様々なことが期待できるのではないでしょうか?

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Yusukeの職場では障害のある従業員が活躍しており、会社はすべての従業員に喜んで必要なサポートを提供しているそう。Yusuke自身は障害のある同僚と働いたことはなく、彼らが実際にどんなサポートを受けているか直接聞いたことはないが、各フロアに車イスでアクセスできるトイレが複数設置されているという。この環境は東京では珍しい環境です。というのは、東京は土地が高く、アパートやビルなどすべてを小さいスペースのなかにコンパクトに作られているのが一般的なのです。

Annieからは、障害者と健常者がいっしょに働く環境を作ることで、企業や団体の文化をより理解することができるという考えが出ました。異なったバックグラウンドを持つ人と働くことで、これまでになかった新しい見方ができるようになり、日々の業務へのアプローチ方法も変えられるといいます。インクルーシブな職場環境から得られる利益は大きいと言っていました。

ディスカッションの最後は、現在の教育と雇用のシステムについて話をしました。現在の教育システムでは、多くの子供達が似たような考えを持たせ、同じようなことを話すような教授法になっています。その教育システムでは「人と違うこと」にあまり価値は置かれていません。これは雇用のシステムでも同じです(*1。大多数の「標準の人」を審査できるような仕組みになっています。つまり、簡単に標準以下の求職者を取り除き、標準以上の求職者を選びやすくしているのです。しかし、この昔からある採用方法で、最適な強みを持った人材や個々の特性をきちんと見極めることはできるのでしょうか?

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大多数に受け入れられる商品やサービスより、より個人仕様にカスタムできるものが注目される時代では、ダイバーシティ(多様性)の活用がとても重要になってきます。昔からの採用方法はファーストフードを作るプロセスに似ています。速いスピードで同じものをたくさん作る。しかし、速くできるものが、より良いものと言えるでしょうか?「同じ背景や同じ能力しかない人が集まって、斬新なアイデアを出せると思う?」これはMizukiがいつも言っている言葉です。

ダイバーシティや変化を活用する準備ができていますか?
多様な能力や考え方が集まった強いチームを作る準備ができていますか?

参加者の皆様にはたくさんのアイデアをいただき、とても面白いディスカッションができました。どうもありがとうございました。

次回のAbility For Successは 2016年4月24日(日)(※日本時間)、トピックは「インクルーシブ&ダイバーシティな職場環境を効果的に作るには?」です。ご興味のある方は、こちらのページからお申し込みください!

 

参考:*1:過去のオンラインイベントで、イギリスでの人材紹介会社について話し合ったことがあります。仕事を探す際に重要な役割を担う仲介役が能力のある障害者を差別しているというもの。また一般的な採用プロセスでは、障害者の能力が正しく審査されていないという課題もあります。詳細はこちらのレポートをご確認ください。

 

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