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お久しぶりです、Mizukiです!

私は先週からニューヨークシティ(NYC)に来ています!

「あれ?ニューヨークに住んでいるんじゃなかったの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが…

私が住んでいるニューヨーク”州”シラキュースは、ここNYCから車で約5時間、飛行機で1時間ほど離れています。

同じ州ですが人も環境もまったく違いますね~。

 

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ニューヨーク国連本部にて

さて、今回NYCに来た最大の目的は、ニューヨーク国連本部で開催された第9回障害者権利条約締約国会議への参加です。

この条約はまさに障害者の権利を守るための国際レベルのルールであり、2006年に国連総会で採択されました。

日本政府は2007年にこの条約に署名し、国内の障害者制度を改善したのち2014年に条約を締結しました。

今年4月に障害者差別解消法がスタートしましたが、これもこの障害者権利条約の内容に沿うために行われたものです。(*1)

 

この障害者権利条約締約国会議は通常、政府関係者やNGO団体しか参加できないのですが、偶然な幸運で私の所属するBurton Blatt Instituteが登録されており、私も参加できることになりました。

メインの会場はテレビで見るような国際会議の光景!

何列も並ぶテーブルの上に国名が表示されており、音声通訳の機器を耳につけた人たちがずらっと並んでいました。

その光景も見るだけで私はただただ感動してしまいました…!

 

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1日目のメイン会場

 

「会議」というとまずテーマがあり、それに対して参加者が意見を出し合い、今後どういう方向で進むか決めるというイメージですよね。

しかし、この会議では各国がすでに話す内容をあらかじめ準備しているようで(時間も制限されている)、主に前回の会議からどういう取り組みをしてきたか、今後どうしていくかを順番に報告していく流れでした。

日本は、障害者権利条約に基づいて今後も国内の制度や環境を変えていくこと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて世界各国の人たちを受け入れられる社会を作っていくこと、4月に施行された障害者差別解消法の報告などをしていました。

 

会議1日目を終えた私は少し不安になっていました。

「ただ各国の報告を聞いてるだけで良いのかな…?」と。

すると、同じくシラキュースから参加していた友人からこんなことを言われました。

 

この会場では会議内容から情報を得ることだけがすべてじゃないよ。

周り見ると分かると思うけど、前回会った人との再会を楽しんだり、新しいネットワーキングを広げるために来てる人も多い。会議の途中で話をしたり、写真を撮ったり、外に出てコーヒーを飲みながら話す人もいるでしょ?

 

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確かにそうなんです。

実際に国際会議の雰囲気ではあるのですが、皆さん自由にしゃべったり、移動したりしていて、私はどうすれば良いんだろうと不安になっていたんです。

この友人の言葉で緊張がほぐれ、2日目以降はメイン会場での会議ではなくサイドイベントで障害者雇用、女性障害者、バリアフリー旅行などをテーマにしたセッションに参加しました。

そこで、インドネシア・バングラデシュ・パキスタン・スウェーデンなどの参加者とも意見交換をすることができ、ネットワークを広げることができました。

日本からはJICAの方々が来られていて、短い会議期間ではありましたがたっぷりお話することができました。

帰国後に再会できることが今から楽しみです!

 

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タンザニアとパキスタンから参加されていた女性障害者アドボケートたち

3日間の会議を通して一番感じたこと、

それは女性障害者の活躍促進に真剣に取り組まなければならないということです。

 

初日に、障害者権利委員の選出があり、日本から初めて石川 准氏が選出されました。

石川氏をはじめ9名の方が今回選ばれたのですが…全員男性だったのです。

そのことから「Gender equality(男女の平等)がない!」と多くの人から課題意見が挙げられていました。

2年後、新たな委員を選ぶ際に女性がもっと選出されるよう各国で女性の活躍推進をしていかなければ!という声もありました。

 

また、日本よりも発展途上にある国々から女性障害者が国やNGOの代表として参加しており、パネルディスカッションで強いメッセージを発信しているシーンを何度も見ました。

日本から参加していた女性障害者は私を除いて1名のみ。

お隣の国・韓国からは私が見ただけでもMoon Rider(車イスユーザー)女性が5名はいました。

彼女たちは、サイドイベントの招待状を配ったり、会場のセッティングをしたり、実際に韓国のアクセシビリティについて参加者に発信していました。

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国連での最終日

女性の活躍推進は日本政府が力を入れているテーマですが、女性+障害者というカテゴリーもとても重要なトピックです。

JICAの方々と話をしたあと、日本には障害別の団体はたくさんあるが女性障害者に特化したアドボカシー団体がないことを知りました。

リーダーシップを発揮し、世界にメッセージを発信できる女性障害者をもっと増やすことで、ダイバーシティ&インクルージョンや男女平等の分野でも、日本はもっと先進国になれるのではないでしょうか?

この気持ちを持って、日本で女性障害者の私ができることを探っていこうと思います。

 

*1 障害者権利条約については外務省のサイトにわかりやすい資料が掲載されています。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/index_shogaisha.html

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