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こんにちは、Mizukiです!
皆さんは日々のニュースをどうやってチェックしていますか?
インターネットの普及により、新聞ではなくニュースもネットで見ている人がどんどん増えていますよね。
人気サイトの1つにYahooニュースがあります。
2016年1月に発表された ICT 総研のリサーチによると、Yahooニュースはニュースアプリの利用率No.1という結果がでています。
参考:http://ictr.co.jp/report/20160126.html
シリコンバレーを訪問した際、まさにそのYahooをすることができました!
お話を伺ったのは、アクセシビリティチームのプログラムマネージャーであるGary Moulton氏です。
大学院卒業したGary氏は臨床医として仕事を始めました。
加わっていたプロジェクトは、障害のある子供へ早期介入(障害児の発達および地域社会への統合の促進を目的として提供される支援)を提供するというもの。
当時の理論では、より早い段階で障害を発見し、早期介入をすることで(例:言語療法)、 幼稚園に入る頃には、よりスムーズに一般教育に入っていくことができると考えられていました。
Gary氏はこのプロジェクトに取り組みながら、学部生と院生向けに幼児発達学や人間発達学も教えていました。
アップル社が初めてコンピューターを発売したとき、Gary氏は認識能力を改善することができるソフトウェアプログラム(例:目で見て覚える単語)の開発を始めました。
そして1985年、彼はカリフォルニア・Cupertinoにあるアップル本社を訪問。
当時、アップル社は学校にコンピューターを販売していたのですが、学校が購入できるのは障害者も同じように利用できる(アクセシブル)コンピューターだけでした。
アメリカの教育法で障害のある子供も、障害のない子供と同じく普通クラスで一般教育を受けることが義務付けられていたからです。
障害のある生徒たちも利用出来る製品を作るために、障害者と働いた経験がある人を探していたアップル社。
そこにやってきたGary氏はまさに適任でした。
アップル社は彼を採用し、”ディサビリティー(障害)・ソリューション(解決)・グループ”に配属しました。
アップル社で10年間働いた後、Gary氏はマイクロソフト社に移り、17年間アクセシビリティ・チームに在籍。
現在勤めるYahooには2013年に入社し、ウェブ・プロパティのアクセシビリティに携わっています。
インタビューの中で、
アメリカの障害者の生活を大きく変えた2つの法律を紹介してくれました。
1つ目は、「アメリカ政府はアクセシブルではないオフィス機器を一切購入しない」という連邦法を定めたこと。
アメリカ政府は最大の障害者雇用主です。
様々な障害者がきちんと仕事ができるよう、アクセシブルな機器でなければいけないということが法律になったのです。
IT企業にとっても、アメリカ政府はとても大きなマーケットだっため、
アップル社やマイクロソフト社など電子機器を作っている会社はビジネスのために
アクセシブルな製品を作る必要がでてきたのです。
2つ目は、21st Century Communications and Video Accessibility Act (CVAA)とい連邦法。
これはメールなど1対1のコミュニケーションサービスを提供する場合、
どんな人でも利用できるアクセシブルなものでなければならないという法律です。
アクセシビリティにこんな歴史があったとは本当に驚きでした。
いまでは障害者もコンピューター、スマートフォンなど様々な機器を利用できる環境があり、
テクノロジーのおかげで障害者の生活はより便利になり、より自立した生活を送ることができています。
障害者がテクノロジーへきちんとアクセスできること、その動きがアメリカ連邦法につながったと言えます。
そして、アメリカのこれらの法律がなければ、障害者が利用できる電子機器はこの世に存在しなかったかもしれません。
技術の進歩に支えらえているのは障害者だけではありません。
新しい言語を学ぼうとしている人、または高齢になってきた人にも様々な可能性を与えています。
身近なところでいうと・・・
ジェフは日本に来たばかりの頃、テレビを見るのが好きではありませんでした。
日本語のテレビを見ても、話の内容についていくのが大変で楽しめなかったのです。
そこで、試しに字幕をつけてみてみることに。
日本語とジェフの母国語である中国は”漢字”という共通点があるので、
字幕をつけることでもっと番組の内容を理解できるようになっていきました。
ある日、ジェフといっしょに私の母の家にいくことになりました。
いつもの習慣でテレビの字幕をONにして見ていると
母が「あら、字幕があるといいわね。時々何て言ってるかわかりにくいことがあるから」と一言。
母は特に聴覚に障害があるわけではありません。
ただ年を重ねて、若いころより少し聞き取りにくくなってきただけです。
もし技術の中にアクセシビリティがなかったら、
標準のスキル・能力を持っていない人は、沢山のことをただ諦めるしかなかったでしょう。
何十年も前からアクセシビリティのことを考え、
製品やウェブサービスを改善し続けてきた企業の方々には感謝の気持ちでいっぱいになりました。
後半に続く・・・
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