This article is also available in: English

Ed Roberts Campus_Mizuki_Susan
案内をしてくださったSusanさんと♪
 
カリフォルニア州バークレーにあるエド・ロバーツ・キャンパスの紹介の続きです。(前編はこちら
 
 
Ed Roberts Campus Water Fountain
 
1階には噴水が設置されています。
 
これはランドマークとしてだけではなく、音で位置感覚がわかる視覚障害者にとっても役立ちます。
 
建物内の案内をする際、
 
「噴水の右手に○○団体があります。左手にカフェがあります」と説明することが可能。
 
また待ち合わせ場所を噴水の近くで、ということもできますね。
 
 
Mizuki Ed Roberts Campus_Security
 
セキュリティカードをかざしてドアのロックを解除するという作業は、簡単そうに見えて意外にバリアがあります。
 
というのは、ある程度の距離までセキュリティカードを近づけ、数秒その状態をキープしないとシステムが反応せず
 
腕に障害がある人には大きな壁になっています。
 
そこでエド・ロバーツ・キャンパスでは写真のような通常より大きいパネル(黒い四角部分)を用いています。
 
これによって、遠い位置からでもセキュリティカードがうまくシステムに反応するようになっています。
 
また、この白い壁の素材にも一工夫。
 
車イスが壁にぶつかると黒い汚れがつき、なかなか落ちにくいのですが
 
「Trespa」という特殊な素材を使うことで簡単に拭き取れるようになっています。
 
一般的な素材に比べると費用はかかるそうですが、長く使えるという面で採用されたそうです。
 
 
Ed Roberts Campus Restroom
 
お手洗いは男女別トイレ内に車イスで入れるトイレがあり、またそれとは別にファミリールームもあります。
 
日本で一般的な多目的ルームはアメリカでは数が少なく、その分、男女別トイレに必ず車イスで入れるトイレがほとんどの場所で利用できます。
 
しかし、家族などトイレ介助者が異性の場合、男女別のトイレに入ることはできないですよね。
 
男女別トイレ+ファミリールーム、それぞれに車イスで入れるものがあれば、色々な状況の人が快適に利用することができます。
 
 
Ed Roberts Campus Garden
 
2階にはバルコニーがあります。
 
プランターはちょうど車イスから見やすい高さになっていて、ここで野菜が育てられています。
 
 
Ed Roberts Campus Paintings
 
同じく2階の壁にはこのような絵がずらっと飾られています。
 
The Center for Accessible Technologyというエドロバーツ・キャンパス内にオフィスを構える団体が資金を集め、
 
画材道具を購入し、障害者に自分たちの思いを絵にしてほしいと依頼したそう。
 
ここにはたくさんの熱いメッセージが込められており、思わず見入ってしまいます。
 
私が好きな作品をご紹介します。
 
 
Ed Roberts Campus One Day
 
「いつかたくさんの人たちが手話を学び、すべての世界が”手”で繋がれば、私たちみんながその声を見ることができます!」
 
Ed Roberts Campus Organization
 
エドロバーツ・キャンパスの中には、障害者の自立生活支援・技術支援・障害者研究・フィットネス・レクレーションなどを行う7つの団体が入っています。
 
全ての団体の入口が同じ色・フォントを使っている理由は、認知障害のある人たちの混乱を避けるためです。
 
 
ADA CAFE
 
訪問させていただいた日、私はタクシーの関係で朝7時半に到着しました。
 
待ち合わせまで2時間以上もあったのでどうしようかと思っていたのですが、なんと!
 
エド・ロバーツ・キャンパスに併設している”ADA’S CAFE”が朝7時から開いていました。
(エドロバーツ・キャンパス自体は8時からオープン)
 
出勤前のサラリーマン風の方がコーヒーを買いに来ている様子をみて
 
ここは障害者だけのためではなく、地域に住む人たちが気軽に利用できる場所になっているんだなと実感しました。
 
 
「誰にでも利用しやすい場所」を作るには工夫が必要です。決して簡単ではありません。
 
実際にエド・ロバーツ・キャンパスもまだ試行錯誤中と言われていました。
 
私自身は車イスユーザーなので、どうしても車イスの視点でデザインを見てしまいがちです。
 
今回、Susanさんに案内していただき「なるほど!」と思う新しい発見がエド・ロバーツ・キャンパスにはたくさんありました。
 
 
改めて気づいたのは、
 
障害のない人の視点だけで、様々な障害に対応できるユニバーサルデザインを作ることはとても難しいということ
 
もっと言うと、障害がある人でも、別の障害を持っている人の状況は完全に”予想”できないということ
 
です。
 
 
それぞれの障害が持っているバリアを軽減するためには、実際にバリアを感じている人に聞いてみることが重要です。
 
日本でも、このようなユニバーサルデザインの建物が増えて行くことを願っています。
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です