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こんにちは、Mizukiです!
この夏からBase incというサイトでも記事を書かせていただいており、昨日、最新記事がリリースされました。
アメリカでの車イス生活に興味がある方、日本の障害者やバリアフリーについて考えている方、
ぜひ一度読んでみてください。
基本的なところではありますが、私は毎回アメリカに来るたびに感動します。
「車イスの私がアメリカ生活を愛する理由」 http://www.thebase.co.jp/blog/diversity/gifted/1916/
**** 2016.3.29更新 ****
Base incは2016 年3月末にサイトが閉鎖されることになりましたので
オリジナルの記事を以下に転記いたします
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車イスの私がアメリカ生活を愛する理由
こんにちは、Mizukiです!
今月の始めにアメリカ・ニューヨーク州にあるシラキュースという街にやってきました。
これから1年間この場所で障害者雇用のリサーチをします。
実はアメリカ生活はこれで二度目です。
最初に来たのは8年前の2007年。
ウィスコンシン州立大学に編入をして、2年間留学生として過ごしました。
もともと留学しようと思ったきっかけは、「日本より海外の方が車イスで過ごしやすいのでは?」と考えたから。
実際にアメリカに来て、その考えは間違っていなかったと感じました。
わたしがアメリカでの生活で特に「素晴らしい!!」と感じていることをご紹介します。
1. トイレがすぐ使える
日本では車イスのまま入れるトイレは一般的に「多目的トイレ」と言われるもの。
そのほとんどが男女共用です。
性別で分かれていないからこそ使いやすいという方(介助が必要な方、LGBTの方など)もいますが、私は少し抵抗があります。
またほとんどの場所で多目的トイレは1つしかなく、色んな人が自由に使えるからこそ、緊急時にも誰かが使っているケースが多いのです。
その結果、トイレを我慢しすぎて病気になったことも多々あります。
アメリカでは通常のトイレに入れば、ほとんどの確率で車イスのまま入れるスペースの大きいトイレがあります。
これは小さなカフェや、若者が行くようなクラブでも同様。
トイレの心配は一切する必要がありません。
ショッピングモールや空港などでは、日本の多目的トイレのような共用トイレもみかけます。
2. どこでも入れる
日本にはたくさん素敵なお店があります。
しかし、行ってみたいお店があっても、入り口に段差や階段があって諦めることは少なくありません。
いっしょに行く人、店員さんなどに迷惑をかけたくないという気持ちがあるからです。
どうしても利用したい場合は、事前にネットで調べたり、電話して確認したりと手間がかかります。
アメリカではほとんどのお店が車イスでアクセスできます。
例え正面が階段になっていても、裏にスロープの入り口があるなど、車イスの方がちゃんと入れるような店づくりになっています。
アメリカでの私は「事前にアクセスできるか調べる」という作業をしたことがありません。
3. ジロジロ見られない
日本で生活していると、外を出歩くだけでジロジロ見られることが多いです。特に子供と高齢者。
子供は生まれて初めて出会った者を見た驚きと興味からでしょう。
高齢者にとっては、若い時代に障害者が外を出歩くということが普通ではなかったからでしょう。
私は小さい時から車イスに乗っているので、そういう視線には慣れています。
でも決して気持ちいいものではありません。
アメリカでは都会でも田舎でも、車イスのわたしをジロジロ見てくる人はいません。
それだけ日常生活で車イスユーザーを目にするからでしょう。
アメリカの一般的なドラマ・映画・アニメでも車イスユーザーは出てきます。
日本だったら障害をテーマにした内容か、病人役くらいではないでしょうか?
このように、設備などのハード面だけでなく、人の態度・対応などのソフト面から見てもアメリカは車イスで過ごしやすい環境と言えます。
この環境に大きく関連しているのは、ADA (Americans with Disabilities Act / 障害を持つアメリカ人法) という法律。
990年に制定された「障害者の公民権法」ともいわれるもので、
雇用、交通機関、公共的施設の利用、言語、聴覚障害者の電話利用など、
あらゆる分野で障害者への差別を禁じ機会平等を保障しています。
もちろん、アメリカの環境が全ての車イスユーザーにとってパーフェクトという意味ではありません。
日本の方が素晴らしい部分もあります。
例えばカスタマーサービスのクオリティー。
2020年東京オリンピック・パラリンピック招致でも使われた「おもてなし」の心です。
きめ細やかで丁寧な接客は世界に誇れるもの。
車イスユーザーへの接客は過度な場合もありますが、それもまた日本人がお客様を大切にしているからだと感じます。
この二度目のアメリカ生活では、しっかりとアメリカの「今」を見たいと考えています。
優れている点も、課題になっている点もすべて含めて。
その視点を持って日本社会に良い刺激と変化を与えられる人になる、それがわたしの今の目標です。