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シラキュースでの生活で変わったことの1つに「バスに乗る」ということがあります。
初めてバスの時刻表を見たときはとてもショックでした。
本数が少ないのです。
ほぼ1時間に1本…。利用する人が大学関係者のみだからしょうがないのですが。
東京に住んでいたとき、バスには月1回乗る程度でした。
わざわざバスに乗らなくても電車でほとんどのところにアクセスできたためです。
ちなみにバスも結構な本数が出ていました。
わたしが住んでいた最寄りバス停を調べてみると、朝7~8時なら1時間に13本も!
ずっとこの違いににブツブツ言っていたわたし。
でも良いこともあると気づいたんです。
それは…
毎日、同じ時間帯に同じドライバーが運転しているということ!
しかも、何回か乗るうちにドライバーがわたしの顔を覚えてくれたのです。
なぜこれが嬉しいかというと、車イスユーザーは1人の力だけではバスに乗れません。
東京でもアメリカでもバスの乗り降りには、ドライバーにスロープを出してもらう必要があります。
シラキュースに来た当初、特にキャンパスからバスに乗るときが不安でした。
同じバスを待っている人が20~30人いるのです。
バスが来た途端にその人たちがバス入り口に向かってワーッと歩き出すので「(車イスの)私がドライバーから見えていなかったらどうしよう」と思っていました。
が…もう私のこと覚えているドライバー様!!
”Back off, please!(後ろに下がってください!)”
と群がる人たちに一言。
バスを待っていた人たちも私が通れるよう道を作ってくれ、ドライバーは車イス用のスロープ(運転席のボタン一つで自動で出る)を出してくれるのです。
アパートで降りる場所もしっかり覚えてくれています。
対応も早いので本当に嬉しい。
いつも笑顔で挨拶をして別れます。
バスの本数が少ないからこそ、こういうメリットがあるんだと気付かされました。
ちなみに、東京は本数が多いかわりに運転手の数も多いです。
だから運転手によって対応がマチマチなんですよね。
良い人に当たればすごく快適に乗れるけど、「乗ったらダメだったかな」と思うほど不機嫌に対応される運転手もいます。
それが嫌でバスになかなか乗れないという車イスユーザーの声も聞いたことがあります。