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Mizukiさんも凄いけど、Mizukiさんを育てたお母様はもっと凄いですね。
とよく言われます。
そう、私の母はとても凄い…というか強い人間です。
私は小学校から車イスに乗り始めました。
中学校まで特に通学に問題はなかったのですが、合格した高校は山の中腹にありました。
家から学校までの間にはかなり厳しい坂道が延々と続いていました。
そこで母は役所に相談に行きました。
これまで使ってきた手動車イスでは通学できないと思い、電動車イスの申請をしたのです。
すると役所の回答は、
娘さんは上肢障害ではないですよね。
電動車イスは上肢障害がある人だけ申請できるので娘さんは該当しません。
そう、電動車イスは自分の手で車イスを動かせない人が使用するモノ。
役所を通して費用を負担してもらうとなると規定上、上肢に障害のない私は該当しないということでした。
そこで、母が言い返した言葉。
娘は上肢障害はありません。
でも手動車イスであの坂道を上ることはできません。
私も毎日車で送り迎えする事は不可能です。
娘が電動車イスを申請できないという事はつまり、”高校には行くな”と言うことですね?
その言葉を聞いた役所のスタッフは慌てて上司に掛け合ったそうです。
そして、最終的に電動車イスを申請することができました。
あの電動車イスがなかったら、あの高校には通えませんでした。
修学旅行でオーストラリアに行った経験がなければ、そのあとアメリカ留学もしていなかったでしょう。
東京で仕事をすることも無かっただろうし、再びアメリカに来る機会もなかったと思います。
ここまで導いてくれたのは強い母の行動です。
そう、私自身はまったく凄い人間ではありません。
本当に凄いのは私を育ててくれた母なのです。