This article is also available in: English
こんにちは! Mizukiです。
11月の中旬から2週間かけてミネソタ&ウィスコンシンに出張し、研究用の取材をしてきました。
そのためブログがしばらく放置状態に…スミマセン(苦笑)
出張先では素敵な方々と出会い、多くの刺激をもらって帰って来ました。
現在インタビュー内容をまとめる作業に入っています。
その報告もこのブログで随時アップしていけると思います。
どうぞお楽しみに!
さてさて・・・その出張中にBig Smile 第12回を開催しました!
まずはそちらのレポートをさせていただきます。
今回のテーマは「職場における障害者への合理的配慮は何?」です。
2つのトピックで話し合いました。
- 障害者が直面している課題
- 職場での合理的配慮は何か
今回のセッションには、イギリスから1名、日本から1名の方にご参加いただきました。
イギリスからの参加者は、聴覚に障害のある息子さんをお持ちで仕事探しに大変苦労されたそうです。
日本からの参加者は運動機能障害のある当事者です。
ディスカッションのまとめ:
1. 障害者が直面している課題
イギリスからの参加者
イギリスでは、IT分野で仕事を探す際、(特に経歴が浅い場合は)人材仲介会社を通しての就職活動がメイン。
しかしその仲介会社が障害者への差別をすることがある。
障害のある求職者の対応をしたくない様子がはっきりとわかる。
現在、人を採用する際に基準となっているの”able people(障害のない人)”です。
例えば、採用審査の中にグループワークがあった場合、聴覚障害の求職者は、他の求職者とコミュニケーションをとるため手話通訳者が必要なケースがあります。
手話通訳者がきちんと手配されない場合、コミュニケーションの壁があることで、他の人とのインターアクションが少なくなり、自分自身を考えを正確に伝えることは難しくなります。
その結果グループワークでの審査では低いスコアを付けられてしまい、次の審査に進むことが難しいという状況になります。
イギリスには障害者の就職をサポートするNPOもあるそうですが、企業での審査(スクリーニング)方法が変わらない限り、たとえその業務をこなせる能力やスキルを持っていたとしても最終審査まで残ることは大変厳しいという現状だそうです。
日本では仕事を探す際、同様の仲介会社もありますが、直接企業にアプローチすることもできます。
日本の職場においては別の課題があります。
厚生労働省は障害者の法定雇用率を制定し、従業員50名以上の企業は最低2%の障害者を雇用しなければなりません。
しかし多くの企業において、必要な2%の障害者を雇用をするとそれ以上の採用をしないというケースがあります。
障害のある求職者は一般の求職者と分けて審査されているのです。
またそのような”障害者採用”を対象にした求人は職種がかなり限定されており、業務内容によっては障害内容が直接仕事に影響しない職種であっても、その仕事を希望することができない状況があります。
2. 職場での合理的配慮は何か
「障害者」というのは障害のある人の一般的な呼び方ではありますが、障害の内容によって1人1人必要なサポートは異なります。
同じ車椅子ユーザーでも、普通の椅子に移って仕事をする人、車椅子のままで仕事をする人など、みんな違うためそのカテゴリー分けをすることは難しいです。
米系企業の日本支社では障害のある従業員に必要な「合理的配慮」を徹底しているところが多いです。
ある企業では、障害のある従業員が合理的配慮を依頼する際、直属の上司への申請は不要で直接人事部に依頼ができるシステムになっています。
日本からの参加者が経験をシェアしてくれました。
彼女が働く会社では障害のある求職者に対して、障害内容を公開をしてもらい、審査の段階でも必要な合理的配慮を提供しているそう。
しかし、その企業では以前、聴覚に障害があることを隠して面接を受けた人がいたとのこと。
障害を隠した理由は、障害を理由に面接拒否されることが嫌だったためです。
無事に採用されたそうですが、入社後にいっしょに働く同僚はどのように彼女をサポートしていいか分からず、本人もそこで働くことに疲れてしまいすぐに退職してしまったとのこと。
障害を理由にした面接拒否というのは日本では珍しくなく、障害のある求職者が障害を公開したくない大きな理由になっています。
しかし、正確な情報を公開しなければ、雇用主と従業員のあいだに誤解が生じることも多いです。
今回のセッションでは、それぞれが経験したことやアイデアをたくさん共有することができました。
大変盛り上がったテーマだったので、同じトピックで再度セッションできればいいなと思っています。
日程が決まりましたら、またこのブログで告知させていただきますね!