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こんにちは、Mizukiです!
シリコンバレー訪問のレポートの第1弾は “Facebook” です。
世界中で幅広い年齢層の方々が利用しているFacebookですが、もともとはアメリカの大学生向けに作られたサービスだったのです。
私がウィスコンシンに留学していたときは、まさにその時代で学生間のコミュニケーションの場所でした。
レイアウトも今とは異なり、学生の間での使い方も今とまったく違います。
留学当初、私は授業でうまく英語で話すことができませんでした。
しかしクラスメイトとFacebookで繋がり、文字でコミュニケーションすることで仲良くなれたのです。(その時の私にとっては英語で話すより、英語を書くほうがまだ簡単でした)
そのおかげで、実際に授業でもクラスメイトから色々サポートしてもらうことができました。
このように留学時代からFacebookには大変お世話になっています・・・!
今回、Facebook訪問のきっかけになったのは、このニュース記事です。
Facebookが開発しているのは、投稿された画像が何かを音声で説明してくれるシステム。
また将来的には、ユーザーから「何が映っているのか」も質問できるようになるそう。
このシステムがあれば視覚に障害があるユーザーも、もっと友達とのコミュニケーションをとることができます。
このニュースを読んで、写真を撮ってアップしたり、友人の写真にコメントしたり、
目が見える私にとって何でもない行動が、視覚障害のユーザーにとっては大きな壁であることを初めて知りました。
「このプロジェクトに関わっている方にお話を伺いたい!」と思い、幸運にも今回の訪問が実現しました。
取材当日、かなり早くオフィスに到着したので周辺を散策。
Facebookの”いいね(Like)”看板があるということは知っていたので、私もそこで写真を撮りたいと思い行ってみました。
・・・・が、何と車イスで行けない!
段差を乗り越えたあと、木屑(車イスのタイヤが埋もれてしまう)が敷かれていて1人では看板まで到達できないのです。
(楽しみにしていたのにショック・・・)
でも諦めきれずにウロウロしていると、女性のセキュリティの方がこっちにやってきました。
(やばい・・・怪しい人と思われた!?)
と怖がっていると、
「あなた、あの看板の前で写真が撮りたいんでしょ!車イス運んであげるわよ!」
と満面の笑みで話しかけてくれました。
そのあともう1人マッチョな男性セキュリティも呼んでくれて、ここまで連れて行ってくださいました。
車イスでそのままアクセスできれば一番良かったのですが、私にすぐ気づいて助けてくれたのが本当に嬉しかったです。
このあと、この女性セキュリティの方が訪問する建物まで連れて行ってくれ、入館手続きも全てしてくだいました。
始まりからこんな素敵なことがありました。
さて、本題ですが今回お会いしたのは、データサイエンティストのShaomei Wu氏と、エンジニアのMatt King氏です。
Shaomei氏は中国出身で、ニューヨーク州のCornell大学で博士号を取得。Facebookでの仕事は3年。
様々なリサーチをする中で、多くの視覚障害者がFacebookを使っていることを知りました。
昨年からアクセシビリティチームと仕事を始め、視覚障害のあるユーザーにも一般ユーザーと同じようにFacebookを気軽に楽しんでもらいたいと考えています。
Matt氏は長年IBMに勤務。
去年の夏からFacebookで仕事をしています。
Matt氏は全盲で、移動の際は白杖を使用しています。
オフィス内の通路は広く、周りを歩く人はMatt氏にぶつからないよう自然によけて歩いていました。
業務ではAudio Mixier(オーディオミキサー)というご自身でデザインした機器を使って仕事をされています。
視覚障害のユーザーがネットを使う上で困難に感じている1つは、“写真を見ること”です。
視覚障害のないユーザーにとっては、写真を撮り、加工したり、人の顔にタグをつけたり、画像を回転させたり・・・という作業はとても簡単ですよね。
しかし、視覚障害のユーザーにとっては大変な作業になり得ます。
私がそれに最初に気づいたのは、全盲の友人がアップした写真でした。
彼女には同じく視覚障害の旦那さんがいます。
ご夫婦揃ってレストランで食事をしている写真をプロフィール写真に設定していたのですが、それが逆さまになっていたのです。
私はそれを彼女に伝えるべきか迷いました。
伝えることで彼女に恥ずかしい思いをさせるのではないかと思ったのです。
また、自分以外の誰かがアップしている写真にもまた違う壁があります。
写真に添えられた文章が、写真の内容をはっきり説明していない場合があるからです。
例えば、先日私が飛行機に乗ったとき、無料でエコノミーからファーストクラスにアップグレードされました。
その航空券の写真を撮って、”Upgraded! Yay!(アップグレードされた!やったー!)”とだけ書き、写真と一緒に投稿したのです。
写真が見えるユーザーは、「ああ、飛行機の席がアップグレードされたんだな」と写真を見てわかります。
しかし、視覚障害のユーザーにとっては「何がアップグレードされたんだろう?」と100%状況を理解することができません。
コメントをしたくても出来ず、友人たちとの会話(コメント)にも入れず、孤立した状況になってしまうのです。
写真をシェアして友人と楽しむというのは、多くの人にとって当たり前にある環境であり、重要なコミュニケーション方法になっています。
その中で、視覚障害者が同じように楽しめないというのはおかしい。
この状況を変えたいと思いました。
とShaomei氏。
皆さんご存知の通り、Facebookは現代人の情報交換の大きな役割を果たしています。
ただ友人と交流するだけでなく、今まで知らなかったニュース、イベント情報、ビジネスチャンスもあったりします。
視覚障害のあるユーザーも他のユーザーと同じように
自分の情報管理ができ、他の情報へアクセスできる環境を当たり前に作る。
そのためにFacebookのAccessibility Teamは日々奮闘しています。
車イスユーザーの私は、「Facebookが使いにくい」と考えた事はこれまでありませんでした。
お2人にお話を伺ったことで、自分自身の経験だけでは気づかないことがたくさんあるという事を改めて感じました。
自分にとって「当たり前にできる」ことが、誰かにとっては「当たり前にできない」こともある。
当事者には分からない事は山ほどあると思います。
でも、そういう困難に少しでも気づける人になりたいと思いました。
後半に続く・・・
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