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こんにちは、Mizukiです!
多くの障害者にとって”自立生活”というのは、仕事を始める前の大きな挑戦の1つと言えます。
ベイエリア滞在中に、障害者の自立生活を支援するサンフランシスコ自立生活リソースセンター(Independent Living Resource Center San Francisco)を訪問しました。
お話を伺ったのはシステムチェンジコーディネーター&コミュニティオーガナイザーのFiona Hinze氏です。
Fiona氏は脳性まひがあり、日常生活では車イスを使用しています。
サンフランシスコで生まれ育った彼女は、健常者と障害者が一緒のクラスで授業を受けるフル・インクルージョン教育を受けました。
その後、スタンフォード大学で心理学を学びます。
サンフランシスコ自立生活リソースセンターではインターン生として経験を積み、その後社員として加わりました。
現在は障害者への政策関連をメインに仕事をしています。
自立生活センターは、障害者運動を始めた活動家たちによてカリフォルニア州バークレーからスタートしました。
1972年の最初の自立生活センターがバークレーに設立され、その後アメリカ全土に広がっていきました。
サンフランシスコ自立生活リソースセンターもそのうちの1つであり、ピア(仲間)・ラン(経営)・モデルを基準にしています。
従業員の大部分は障害をもっている当事者で構成されており、同じ障害者同士(ピア・仲間)だからこそ、利用者の障害者により良いサービス・情報・アドバイスを提供することができると考えられています。
Fiona氏は「障害のある本人こそ、障害のことが一番分かる”エキスパート”なのです」と言っていました。
おっしゃる通り…!
サンフランシスコ自立生活センターは様々な”障害”に対して支援をする団体です。
「私は障害がある」と思う人であれば、誰でもこのセンターで支援を受けることができます。
(※アメリカは日本のような障害者手帳制度はそもそもありません)
支援内容は、住居のアクセシビリティ調査・支援技術・給付金情報の提供とカウンセリング・医療保険カウンセリングなど。
直接就職の支援はしていませんが、月1回”Economic Empowerment”というワークショップを開催しています。
ここでは企業などが参加し、障害者に向けて求人情報を提供しています。
アメリカの障害者が抱えている課題について尋ねると、以下の3つを挙げられました。
1. 雇用
障害者の失業率の高さは大きな課題の1つです。
アメリカの労働省が出している最新のデータでは、障害者の失業率は10.3%となっています。
障害のない人の失業率は4.6%なので、およそ2倍。
しかし、そもそも正確な失業率を出す方法というものはなく、障害者関連の研究者は、障害者が失業状態にあると言っています。
2. 建物のバリアフリー化
1990年にADA(障害のあるアメリカ人法)が制定され、多くの建物がバリアフリーになり障害者の生活は大きく変化しました。
しかし、まだまだ改善が必要な建物は存在します。
そのなかの1つが住居。
バリアフリーが整備されている家やアパートの数は圧倒的に少なく、この状況が障害者の自立生活を妨げていると言えます。
3. 烙印
障害者に対してネガティブなイメージを持っている人は少なくないです。
また障害のある当事者のなかにも「障害があるから何もできない」と考えている人もいます。
周囲から押される烙印だけではなく、自分自身に烙印を押してしまうことで、
可能性を狭めてしまったり、良い機会を逃してしまうという状況を作り出しています。
後半に続く・・・
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