This article is also available in: English
オンラインミーティング “Ability for Success”のレポート後編です。
前編では、MizukiとAnnieが経験した障害が原因となり発生する「誤解」についてまとめました。
後編では、彼女たちが経験した差別についてまとめます。
職場環境:
Mizukiは、日本における仕事の機会が平等ではないことを指摘しました。
このブログの研究記事でも書いていますが、日本は障害者雇用のために2%という法定雇用率を設定しています。
これは一般企業で50名以上の従業員がいる雇用主が守らなければならない法律であり、もともとは障害者の雇用を促進するために作られました。
しかし雇用主の中には、この制度を厚生労働省から与えられた”宿題”のようにとっているところもあります。
特例子会社をつくり、障害者をたくさん雇い、責任の低い仕事をさせる。
そうすることで”宿題”を提出しているようにも見えます。
Mizukiが東京で就職活動をしたとき、彼女が挑戦したいポジションを伝えても
「その部署では障害者採用はしていない」と言われ続け、興味のない事務系の仕事をすすめられていました。
また、他の例として障害者差別というよりも日本企業に残る女性差別についてもMizukiは経験談を話しました。
以前働いていた会社では、責任の低い仕事や雑務は女性従業員がするという文化がありました。
日本では、従業員が出張先や休暇を過ごした先でお土産を買って会社に持ってくるという習慣があります。
Mizukiが以前働いていた会社では、男性従業員が買ってきたお土産を女性従業員のデスクに置き、女性従業員がそのお土産を配るということが通例になっていました。
男性従業員は自分たちの時間を有効に使うため、そのような雑務は女性がするべきと考えているようです。
これは本当に信じられません。
Annieは台湾での就職面接の経験を話し、
健常者と同じように審査を受けると不利になることが多いと感じていたそうです。
日常生活:
中学校を卒業するまで、Annieは台湾で差別を感じたことはほぼなかったそうです。
しかし15歳を過ぎたころから、彼女の障害をからかう生徒も出てきて、とても辛い経験だったと話してくれました。
Mizukiが日本で感じていたのは映画館やコンサート会場での差別。
私たちはときどき映画やライブを見に行きますが、車イスの人がアクセスできる座席は限定されており選ぶことがほぼできません。
映画館でよくあるのは車イス席が最前列、つまりスクリーンの目の前にあるタイプ。
狭い映画館では、2時間の映画を観るためにずっと首を曲げた状態になります。
障害者手帳があれば、Mizukiと私(付き添い1名)の映画館チケットは約半額になるのですが・・・
全額払っても構わないので、車イスでアクセスできる席が増やしてほしい。
そうすれば、もっと映画館に行きたい人が増えるのではないでしょうか?
なんだかこの半額割引によって障害者が「まぁ、チケットも半額だし、こんな席でもしょうがないか」と諦めてしまうのではと感じます。
そして、映画館自体も安くチケットを提供することで罪悪感を少なくしているとも取れます。
映画館に関しては、過去に2つの記事をMizukiが書いています。
2016年、第一回Ability for Successのまとめを読んでいただき、どうもありがとうございました。
第二回目は3月20日(日本時間)、テーマは「社会と障害者、両者にとって未来のWin-Winのカタチとは?」です。
興味のある方はぜひコチラからご確認&お申し込みください!
参加は障害のない方も大歓迎です!
英語で「障害」と「能力」について話しましょう!