This article is also available in: English
こんにちは!
先日オンラインイベントAbility For Successを開催しました!今回のトピックは、「社会と障害者、両者にとって未来のWin-Winのカタチとは?」です。参加してくださったメンバーは、Fortune 500にランクインする企業に勤めている方とアメリカの大学院で学ぶ学生の2名。
ディスカッションのスタートはこの画像の伝えるメッセージを読み取るところからスタートしました。
日本語訳
車イスの男性(左下):スロープの方の雪かきをしてもらえないかな?
雪かきのスタッフ(右):たくさんの子供達が待ってるから、まず階段の雪を綺麗にするよ。それができたら、”君のために”スロープも雪かきするから。
車イスの男性(左下):でも、スロープを綺麗にすれば、みんなが早く中に入れるよ。
引用:
日本語訳
車イスの男性(左下):スロープの方の雪かきをしてもらえないかな?
雪かきのスタッフ(右):たくさんの子供達が待ってるから、まず階段の雪を綺麗にするよ。それができたら、”君のために”スロープも雪かきするから。
車イスの男性(左下):でも、スロープを綺麗にすれば、みんなが早く中に入れるよ。
世界銀行の記事(*1)によると、世界の人口の約15%の人が何かしらの障害を経験しているというデータがあり、世界の大多数は”Able-bodied (障害のない体)”の人で構成されています。その結果、社会にある多くのインフラやルールは障害のない人を標準として作られています。この画像に描かれている雪かきスタッフは、決して障害のある人を差別しようとしてこの言葉を言っている訳ではありません。大多数の人にとって一番いい方法を考えて発した言葉であり、階段を綺麗にすることで多くの子供達をまず建物の中に入れることができると考えたのです。無意識のうちにスロープがMoon Rider (車イスユーザー)だけ、つまり一部の人だけが利用されるものと思い込んでいるということ。このような思い込みは至る所で毎日のように起こっています。
今回のAbility For Successでは、以下のステップでディスカッションを構成し、日常生活で類似した課題がないかを話し合いました。
- 課題 :雪が積もった通路
- 使えるもの :学校職員、ショベル
- 隠れたソース:新しいマインドセット
- より良い結果:すべての人が建物に入ることができる
面白かったのは、今回参加した皆さんは電車に対しての課題を持っていました。
Yusukeは駅で流れているアナウンスが聞き取りにくく、聴覚に障害がない人でも情報を得るのが難しいことを指摘。車両によっては、車内に電光掲示板があり次にどの駅に止まるのかアナウンスが流れるので、聴覚障害者だけでなくすべての人にとって簡単に確認ができる便利なもの。この電光掲示板は英語・中国語・韓国語などで表示されるので、海外から来た人にとっても役立つ。
Annieは現在住んでいるニュージャージーの電車について指摘。なんと、電車の車両のドアが一部しか開かないそう。毎回開くドアもランダムに変わるので、足に障害のある人や高齢者など早く動くことが困難な人にとっては利用しにくいシステムになっている。すべての人が利用しやすくするには、すべての駅ですべてのドアを毎回開けるというのが一番の解決方法でしょう。
Mizukiがシェアしたのは東京での電車利用について。東京の多くの電車車両は、ホームとの高さのギャップが大きく、Moon Riderが一人で乗るには少し危険です。Mizukiは一人で電車に乗るとき、いつも駅員に依頼してスロープを用意してもらうのですが、電車に乗り込む前に、到着駅にも連絡をして必ず到着地でもスロープが用意できる状態であることの確認を取る必要があり、とても時間がかかります。その状況から障害のない人に比べて、電車を利用するにはより長い時間を要してしまう現状があります。
東京の地下鉄・大江戸線はすべての駅でMoon Riderがアクセスできるように作られています。すべての車両とホームは同じ高さなので、駅員にスロープを用意してもらう必要はありません。もしすべての路線がこのシステムを取り入れたら、Moon Riderだけでなく、お年寄りやベビーカーを押す人にも便利に利用することができます。
後編に続く
参考資料
*1: 障害を経験した人口数 http://www.worldbank.org/en/topic/disability/overview (英語のみ)