This article is also available in: English
6月12日に第4回Ability For Successオンラインディスカッションを開催しました。
今回は、アメリカのワシントン州から1名、日本から2名の方にご参加いただきました。
ディスカッションのテーマは、「一人ひとりの仕事の能力・パフォーマンスを効果的に評価する方法は?」です。
参加いただいた方々について:
今年高校を卒業したばかりのNamiさんは、その視点で日本における学校の評価システムについて考えをシェアしてくれました。
ワシントン州在住のNaokoさんは、お仕事が公立学校の教育アシスタント(Educational Assistant)ということで、アメリカの教育評価システムについて教えてくれました。
もう一人の参加者は多国籍企業で働くYumiさんです。
Mizukiと私もこれまでに経験したことをディスカッションでシェアしました。
教育におけるパフォーマンスの評価:
ディスカッションのなかでNamiさんは、日本の学校の評価システムがテストによる点数の結果でのみ判断されていることを指摘しました。
日本の学校が重要視していることはただ1つ、より多くの生徒達を良い学校に送り込むこと。
中学校は生徒達を良い高校へ入れたい、高校は生徒達を良い大学に入れたいと考えています。
学校で学ぶ教科でどれだけ高得点を取れるかというのは、大学入試にも大きく関わってきます。
Namiさんは、日本の教員たちが進学を成功させることに比べて、生徒が持っている勉強以外の能力を伸ばすことには関心が少ないという意見をシェアしてくれました。
このような傾向は台湾にも言えることです。
私が中学生だったとき(1999年~2002年)、体育・美術・音楽の授業は英語・数学・科学などに変更されていました。
その科目の方が直接入試に関わる科目だからです。
私はNaokoさんに現在働いている学校での評価システムについて質問しました。
Mizukiが研究レポートでも書いているようにアメリカの公立学校では、IEP(Individual Education Plan*1)という障害のある生徒に個別に対応した教育プランが与えられます。
この教育プランは生徒の親・専門スタッフなどが一緒に作っていきます。
設定した期間内に学習目標に達しなかった場合、教師は生徒やその親と話し合いをしながら新しい目標を立てるといいます。
私はこの個別教育プランが生徒に与える影響力は大きいと考えます。
(残念ながら、アメリカの公立学校やIEPを具体的にどう使っているのかまで聞く事はできませんでした。)
日本の教育システムについて話してくれたNamiさんは障害を持っているわけではありませんが、もし日本にも個別の学習プランがあれば彼女の人生にもっと広い選択肢ができたのではと感じました。
仕事におけるパフォーマンスの評価:
Yumiさんは多くの企業がKPI (Key Performance Indicator)にもとづいて従業員の評価をしていると話しました。
この欠点は、実際に計測することができないタスクを評価するのが難しいということです。
例えば、営業担当がどれだけ契約を取って収益を上げたかというのはとても評価しやすいです。
しかし、秘書の仕事のパフォーマンスというのは直接営業成績に影響を与えていないので、仕事の出来高を測ることがとても難しくなります。
Yumiさんは以前の仕事で後者の環境で働いていたそう。
また評価面談をするのは近くで働く”人”ですので、客観的な目線が少なくなり、主観が多く入ってくることがあるといいます。
Naokoさんはすでに知っている人が評価をすることで、そのフィードバックに偏見や主観が入ってくることを指摘しました。
より正確な評価結果を出すために、普段近くで働いていない人が評価者にすることも良いのではと提案しました。
今回の参加者の皆さんも様々なアイデアや経験をシェアしてくださり、学ぶことの多い有意義な時間になりました。
ディスカッションのなかでは、アメリカと日本の働き方の違いについて意見を交わすこともあり、とても面白いディスカッションになりました。
次回のAbility For Successテーマは、今回のディスカッションでも話にでてきた「海外で働く」にしたいと思います。
開催日は2016年7月17日、日曜日です。(※これは日本時間です。アメリカでは16日(土)の夜です。)
ぜひこちらのページから参加申し込みしてくださいね!https://moonrider7.com/online-events-application/
Reference:
1.
注意:
これはディスカッションで出てきた個人のアイデアや意見を含めたサマリー記事であり、参加者が所属する企業・団体の意見ではありません。