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先日こちらの記事を投稿しましたが、法律関係に詳しい知人に相談したところ
車イス席に必要な差額を支払うよう要求することは、障害者差別解消法の不当な差別的取り扱いに当たると言われました。
早速、その旨をシアターの窓口担当者に伝えたのですが、前回と同じ回答をされるだけで話が前に進みません。
そこでマネージャーレベルの方と話がしたいと伝えました。
当初、先方から電話をいただくことになったのですが、別の知人から「やり取りの内容が残るようにメールの方がいいよ」と勧められ、先方のウェブサイトお問い合わせフォームから以下の内容を送りました。
「昨日、Singin’ in the rainの車イス席について問い合わせした者です。電話でお話させていただくことになっていましたが、やり取りを残しておきたいのでメールでご連絡いただけますでしょうか?
今回の差額支払い要求は、障害者差別解消法の不当な差別的取り扱いに該当しますので、事前にその情報を調べてからメールをください。」
すると数時間後、先方から以下のメールが届きました。
「この度、当電話窓口へいただきました車椅子席に関するお問い合わせに関しまして、これまで弊社では、車椅子をご利用のお客様には事前にお問合せ窓口までお電話をいただいた上で座席へ移ることが可能か不可能かをお伺いした上で、お座席への移動が難しいお客様には車椅子スペースへの移動をご案内する、というオペレーションをいたしておりました。
また今回、お客様のご購入チケットがB席であり、弊社でご用意しておりました車椅子スペースがS席相当であったため、差額のお支払をお願いするというご案内をいたしましたが、この度のご指摘を受けまして部内で検討いたしました結果、今回のご案内は不当な差別的取扱いに当たると認識いたしました。誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます。
つきましては、Mizuki様およびお連れ様含め、ご購入いただいたチケット代以上のご請求はいたしません。ご観劇をお楽しみいただけましたら幸いです。
今後はご指摘いただいたことを踏まえ、障害のあるお客様へのオペレーションを修正・変更し、皆様に気持ちよくご観劇をお楽しみいただけますよう、改善して参りたいと存じます。」
(一部抜粋)
日本で初めて法律のパワーを感じた瞬間でした…!
何が平等で何が特別扱いなのか、その境目は曖昧でわかりにくいです。
しかし、今回は冷静に考えてもおかしい状況だと思いアクションを起こしました。
これよって同じ様に不快に思いながら差額を払う車イスユーザーはいなくなると思います。
今回、交渉に使った「障害者差別解消法」は約1年前に試行された新しい法律です。
実は以前、誰かが「これは日本のADA法(=障害を持つアメリカ人法)だ!」と言っていたのですが
わたしは「日本ではどんな法律を作っても、一般的に知られていないなら存在しないのと同じ」と思っていました。
でも、その考えは間違っていました。
法律を知ってもらうには、伝えないといけないし、使わないといけない。
今回は自分自身でその重要性を実感することができました。
障害者は我慢することが当たり前になっている日本の社会。
その状況を変えられるのは障害者自身のアクションなんですよね。
読者の皆さん、
障害を理由に不当な扱いを受けた場合、今回のケースを事例にぜひ交渉をしてみてください。
あなたの1つのアクションが、その後に続く障害者を助けることになるかも知れません。
* 去年アメリカで経験した車イス席購入のエピソードをブログに書いています。
車イス席は複数箇所に設置されていて、自分で選択し購入することができます。
日本もこの様な好事例をどんどん導入していってほしいです。
https://moonrider7.com/2016/08/10/i-went-to-justin-biebers-concert/
私共も昨年、ディズニーオンアイスを見に行った際、同様に差額分を請求され支払いました。理不尽だな、と思いつつ…。貴重な情報をありがとうございます!今後は是非参考にさせていただきます。
ミュージカルを観に行った時、同じような事がありました。S席しか選べない!みたいな。
おかしくない?って思いながらも、日本の文化なのか、それが差別だと当事者は認識しずらいです。海外に行った経験がある当事者は、主張をしないと生きていけない環境を経験するので、何が差別なのか認識しやすいのかななんて思えました。重度な障害だとみんなと同じではないからしょうがないよね、になりやすい気もします。
当事者だからこそ、主張する、正当な事を要求するコトを学ぶ必要がありそうです。