障害者の学習環境について考える

障害者の学習環境について考える

アメリカの障害者への教育についてお話を聞くため、Kristen McMaster氏を訪問しました。彼女は、ミネソタ大学の特殊教育プログラム・コーディネーターです。

Kristen氏はテネシー州ヴァンダービルド大学で特殊教育を学びました。数年間、高校にて様々な障害のある生徒へ指導をし、特殊教育テクノロジーで修士号を取得するため再びヴァンダービルド大学に戻ります。研究を進めるなかで、Doug Fuchs教授と出会い、彼が行っていた学習障害や高等教育課題の研究に取り組むことに。博士課程では、Peer Assisted Learning Strategies (PALS)というプログラムに力を注ぎました。これは、一般教育において障害や学習で困難を抱えている生徒たちをサポートする個別指導プログラムです。

ダイバーシティが企業を正しい方向に導く

ダイバーシティが企業を正しい方向に導く

現在の研究のスポンサーが決まったとき、最初にアプローチしたのは企業でした。研究テーマが障害者”雇用”だったので、1年間企業でインターンとして働きながら研究ができないかと考えたのです。80社以上の米系企業にコンタクトをとりましたが、残念ながら全滅。しかし、いくつかの企業は「長期間のインターンは難しいですが、ぜひ訪問に来てください」と言ってくださいました。

ミネソタ訪問で利用した車イス対応ルームをご紹介!

ミネソタ訪問で利用した車イス対応ルームをご紹介!

取材レポートはまだまだ続きますが、一旦ブレイクして…ミネソタで宿泊したホテルをご紹介します!アメリカのホテルにはADA(障害を持つアメリカ人法)対応、つまり車イス対応の客室があり、リクエストするとその客室をアレンジしてくれます。日本で所謂バリアフリールームをリクエストすると高額になることも多いですが、アメリカはそのままの値段でスペースの大きい部屋に変更してもらえます。日本とは違い、車イス対応ルームの料金を一般の客室料金より高く設定することはADAで禁止されています。

私たちは皆と同じ人間です。対等に接してください。

私たちは皆と同じ人間です。対等に接してください。

ミネソタ大学にDisabled Student Cultural Center (DSCC) という場所があります。以前、シラキュース大学にあるDisabled Cultural Center(DCC)を紹介しましたが、ここと同じく障害を文化の1つとして捉え、キャンパス内での理解向上を目的に運営しています。今回、DSCCのアドバイザーであるJacob Colon氏と繋がることができ、直接インタビューする機会をいただきました!

特技を生かす!アートの世界で輝く障害者たち

特技を生かす!アートの世界で輝く障害者たち

留学時代にお世話になった方からのご紹介で、ミネソタ州セントポールのInteract Centerを訪問しました。ここにはアートスタジオと演劇(パフォーマンス)をするステージがあり、障害のある方々が自分の特技を生かしながら作品作りをしています。およそ130名がInteract Centerに登録し、その障害の種類に限定はありません。ダウン症・聴覚障害者・視覚障害者・精神障害者・車イス利用者など様々な方にお会いし、皆さん笑顔で私を迎えてくれました。

障害者への高等教育が世界を変える

障害者への高等教育が世界を変える

シラキュースで研究を始めてから教育にもっと関心を持つようになりました。ミネソタ訪問では、障害者の教育分野に詳しいWendy Harbour氏にインタビューをする機会をいただきました。彼女は以前、シラキュース大学の教授として在籍しており、現在はAHEADという障害者の高等教育支援団体で働いています。

「障害」の支援から「能力」の支援へ ~UWRF訪問~

「障害」の支援から「能力」の支援へ ~UWRF訪問~

ウィスコンシンでは、私の母校であるウィスコンシン州立大学リバーフォールズ校(University of Wisconsin River Falls = UWRF) を訪問しました。車イスのトラブルや、そのほか障害に関連する困り事があったとき、いつも相談をしていたMark Johnson氏に取材するためです。彼はStudent Ability Service (SAS) という障害のある学生をサポートするオフィスでコーディネーターとして働いています。こんなかたちで再会できるとはお互い予想もしていなかったので、大いに話が盛り上がりました。

障害者本人ではなく、障害を感じさせる「環境」が問題である

障害者本人ではなく、障害を感じさせる「環境」が問題である

シラキュース大学には the Office of Disability Services (ODS)という障害のある学生に対して必要なサービスやサポートをアレンジするオフィスがあります。(アメリカの各大学には同様のオフィスがあり、より平等にキャンパスライフを送れる環境を提供しています)ODSに登録している障害のある学生はおよそ1,300名。学習障害、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、精神障害など外見では分からない障害者が大部分です。今回ODSのディレクター、Paula Possenti-Perez氏にインタビューする機会をいただきました。